コラム:抱っこ紐はあくまで抱っこを手伝ってくれるもの。
2023/09/08
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コラム~スタッフのつぶやき
2023年9月8日(金)
こんにちは。コラム担当のスタッフ、フィジーです。
今回は「抱っこ紐」の変遷を振り返りつつ
赤ちゃんにとっても負担の少ない抱っこ紐の使い方について考えてみます。
今では当たり前にみんなが使っている抱っこ紐ですが
日本では1980年代初めごろまでは、「おんぶ紐」は使われていて
「抱っこ紐」ってほとんどありませんでした。
そもそも、抱っこ「紐」ではないですよね。
おんぶ「紐」からきた言葉でしょう。
だからでしょうか、抱っこ紐が使われ始めた頃は
首が座ってからの赤ちゃんに使用するものという認識だったと思います。
おんぶと同じ考え方だったのでしょう。
それに、首が座っていない赤ちゃんを連れて、
出かけるというのは勧められていなかったですし・・・
特に新生児期には、母子ともにお出かけ厳禁、が一般的だったと思います。
「産後の養生」ができていた時代ですね。
そして、抱っこでは作業ができない、足元が見えにくくて危ないと
親世代からはずいぶん不評でした。
そこから40年がたち、抱っこ紐で育った世代が親になりました。
その間、首が座っていない赤ちゃんを運ぶ工夫は、
○クーハン(ねんねで入れる平たい籠)
○横抱き抱っこ紐(4Way)
○スリング
○ベビーカー(水平ねんね)
などがありました。
基本的には横に寝かせた状態で運べるものです。
ところが最近では「新生児期から使用できます」という、
縦抱き抱っこ紐が出てきました。
新生児から縦抱きの抱っこ紐、大丈夫なのでしょうか??
体重の3分の1もの重さがある頭を
前後左右に揺れないように囲んで支えても、重さは軽減できません。
重たい頭を自分で支える力のない脊柱の上に載せてしまうのですから
赤ちゃんにとって、どれだけ負担になるのでしょう。
首をすくめて、首の後ろを縮めて斜め上を向いたままお口ポカン
おてても重いので、下にだらん。背骨も横にぐにゃん。
その状態ももちろん辛そうですし、
この先の赤ちゃんの様々な機能の発達を考えても、よいことはないですよね。
自分で自分の頭を支えてコントロールできない、
首の座っていない赤ちゃんは抱っこする人が、支えてあげるのが基本です。
そして抱っこ紐は、あくまで抱っこを手伝ってくれるもの。
抱っこは、抱く人の身体でするものです。
抱く人が、抱かれる人の身体の様子を感じ取りながら
常に最適な状態を目指して工夫しながら
そして抱く人と抱かれる人が協力し合って行うものです。
抱っこ紐にずっと入れていては、
抱っこされる人の変化に対応できないのではないでしょうか。
それから、抱っこ紐の説明で「両手があいて便利」というのをよく見ます。
「手が離せます」というのは「手を添えなくていい」のではなくて、
「必要な時には手を離しても、なんとか安全に赤ちゃんを保持できます」
くらいに思って、
抱っこ紐使用時も、ぜひ手を添えて「抱っこ」してほしいなと思います。
道具に頼らない、抱っこひもなしの「素手抱っこ」や
おんぶ紐なしの「素おんぶ」は、
親子の身体の素敵なコミュニケーション。
抱かれる人が「しがみつく」ことで、自分の身体を守る機能も発達しますし
抱く人も楽ちんになりますよ。
子どもが小さい時にしかできない抱っこ。大いに楽しみましょう。♡